日刊あるなし

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【君たちはどう働くか】大事なものが違うと、判断が変わる。それを教えてくれる1冊

週末は仕事から一旦離れて、ゆっくりと、としたいところですが、今読んでいる本が仕事関係。話題は、仕事の話です。

 

塚越寛さん、という方ご存知でしょうか。

長野県にあるメーカー、「伊那食品」の現会長です。今週はこの方の著書を読んでいます。「働き方」について考えさせられる一冊なので、ぜひ紹介したいのです。

 

塚越さんの会社。何を作っているかというと、健康食品の1つ。「寒天」です。

そう、お湯に溶けるプルプルしたゼリーのような食材ですね。ノンカロリーなので、ダイエット食材として人気があります。この安定供給を実現したのが塚越さんです。

50年以上連続増収増益、安定供給だけでなく、安定成長も続けているすごい会社さんなのです。

ストックビジネスではない商材。人気の勃興、凋落があるような業界で伸び続けることは容易ではありません。

お菓子業界という全体でみれば売上は横ばい。ですが、流行により売れるお菓子は年々変わる。そんな中でどう伸ばしてきたのか。そこには、塚越さんの経営哲学があります。

従業員と関係者の幸せありき」という考え方です。

その根っこがあるため、会社としての判断が面白いのです。

急激な成長を求めない 

 急激な成長をすると、その成長が止まったときに従業員をリストラしたり、減給を迫られる。これは幸せにつながらないと考えています。

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 これは他の企業でも似たエピソードがありました。急激な成長機会があったときに、あえて、そのチャンスを掴まない。という選択です。理由は、その成長機会が一時的なもの、永続しない成長だと判断しているからです。

 

 1998年の長野オリンピックの際、「普段から使うご利用者のために」オリンピック特需をすべて断ったタクシー会社がありました。その会社はその場の特需の恩恵は逃しましたが、代わりに在住顧客の信頼を勝ち得たのです。

 身の丈にあった、じっくりした成長を狙う。反動を社員に負わせない判断です。

 伊那食品でも、寒天ブームが到来し、全国から注文が殺到したことがあったそうです。そしてタクシー会社と同様の判断をしました。

その拡大が会社の身の丈に合わないと考え、あくまでも長野県(それと山梨県の一部)に商圏を限定したのだそうです。

 結果はどうだったか。売上は堅調に伸び、また県外の方も口コミでニーズが広がり、通販サービスのきっかけになったのだとか。求められて始まる通販。理想的な展開になったわけです。

 成長そのものを目的にしない、大前提から考え方が違うのです。

 私も、部下が疲れた顔をして残業する姿を見ながら思ったことがあります。この残業は何のためか?これが、彼はその家族のためにプラスにつながるのだろうか、と。

成長することが会社の喜びであっても、それが個人の犠牲と不満の上に成り立つのであれば、成長しない方がいい。

少なくとも、個々人が犠牲だと思ってしまうような仕組みになっている職場は反対です。

社員の幸せから社会の幸せを考える

  では何を大事にするのか、というと本書の中では「社員の幸せ」という言葉が随所に現れます。

 この言葉。過去仕事の中で何度も耳にしたことがあります。管理者・経営者はこの考えを中心に、より先を見据えた判断をすべき。私もその考えに賛成です。

 ただ残念ながら、この言葉がお題目になっていることがいかに多かったか。この言葉を社員に投げかけていれば、ある程度は信頼を勝ち取れる。仕事を円滑にするための手段としてずる賢く使われることが多いのです。

 社員に公私ともに充実してほしい。そういいながら、有休取得率が上がると釘を指してくる人事。

 家族を大事にしてほしい。そういいながら半年ごとに転勤異動を強いる組織体制。

 隠れサービス残業を暗に示唆してくる上司。枚挙に暇がありません。

 

 言行一致という言葉がありますね。

言うことと、行うことを一致させることで、信頼を得ることができるといいます。この反面教師はこれまで幾度も経験してきました。

幸せを求めるのであれば、それにあった組織にすべき。塚越さんの言はそのことを改めて気づかせてくれます。いくつか抜き出してみます。

 ・株式上場は考えない 

   目線が従業員の幸せから、株主の利益にシフトしてしまうから

 ・人件費は削減すべきコストではない 

   従業員還元が「目的」なのだから、過度にならなければ、削減しない

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 ・安いというだけで取引先を変えない

   取引先にも社員とその家族がいること。信頼という関係の価値がわかっている

 ・脅しはもちろん、成果主義にも頼らない

   人間関係と、自主的な環境を第一にする

このポイントが唯一正しい選択という話ではありません。

ポイントは、こういった判断を、「従業員の幸せ」を基準に決していること。根っこに哲学があるからこそ、それぞれの判断に一貫性が生まれています。

 

まとめ  

 自分の大事な考えに基づいていれば「ちょっと普通と違う」判断はむしろ正しい。

 「いい会社」という言葉の意味からもう一度考え直したい。

 塚越さんの本はビジネス書でありながら、何か人生観のようなものを感じる。そもそも働くってなんだっけ?と、足元から問われるような一冊です。

今お勤めの会社と比べてると転職の契機になってしまうかも・・・ご注意しながら、自分たちが、どう働くか考えるきっかけにしてください。