日刊あるなし

日常を 遊びのように 楽しく過ごす。ミニマリスト&インドア生活スタイルを日々紹介します。

【身近から気づく】日々の生活から大事なことを発見する物語

先週末は病気療養の娘と自宅で過ごしておりました。

日がな一日ゲームと読書。遠出しないこういう週末も良いものです。

そんな週末に読んでいたのはこの本です。書店で長く平積みされているので目にした方がほとんどではないでしょうか。

君たちはどう生きるか

世界大戦直前に発行されたかなり昔の一冊。当時の国粋主義、行き過ぎた全体主義を軽く批判するような。それでいて、「人間は1人では生きていけない」という大きなメッセージを込めた作品です。

以前よんだ三木清さんの「人生論ノート」にも似て、時代の風潮に逆行したような作風です。

ですが、その時代的背景を考えずに読んでみると、その内容は平成に読んでも通じるような。普遍的なポイントが数多くあります。

中学生の経験を中心に語られるのは、人間関係、経済関係、貧富格差、勇気と友情の問題。どれも、一過性の話題ではありませんね。

また、この本が10代の学生向けに書かれているのも印象的です。

 

作品の背景には哲学的な知識、考えが見え隠れします。実際、主人公(コペル君)の師匠として登場する「叔父さん」は、その言葉を引用し、思春期の生活に考え・悩むコペル君を導いてくれます。

ですが、そこは一部分。物語の中心になるのはあくまでも、コペル君が何を見たのか、聞いたのか。友人とのやりとりで何を思ったのか。

未熟から成熟にいたるプロセスを丁寧に書いてくれる。だからこそ、普遍的な話題なのに、生活に密着しているように感じる。空回りしない知識として読み取れます。

 

ちょっと脱線しますが、この本を読んでいて思いだしたのは、過去に大ヒットしたソフィーの世界という物語です。

学校に通う少女が、不思議な手紙を受け取ったところから哲学者知識・知恵に触れていくという話。君たちは・・・とは違い、日常生活から引き込まれるファンタジーという形式ではあるものの、誰もが体験している描写から、普段気づかない考えに導くという点が似ています。

コペル君とソフィーの違いは、コペル君の方が、より「自分で気づく」部分が多いということでしょうか。ソフィーは手紙を送ってくる相手から「教わる」作品でした。

人生の師である叔父さんからのアドバイスを受けながらも、大事な発見はあくまでも自分。教科書に書いてあることが全てではない。この部分を至極丁寧に書いていることに好感を覚えました。

好感を覚えたと書きましたが、覚えない作品もあります。

「まんがで学ぶ日本史、世界史」シリーズなどは最たる例でしょう。

当然ですが、「学ぶ」ことが目的のまんがです。なので、物語が後回しになってしまう。

大上段から、知識を振り下ろす話運びになっていることが多いのです。本来読みやすいまんがであるにも関わらず、「教科書をイラスト多めにしただけの」形式に、まんが好きの私も辟易してしまうことがあるのです。

 

何かしら学ぶことがある、気づくことがある。

でも、それは教科書のように「答えありき」では血肉にはなり辛い。

物語を通じて。「体験ありき」から、読者が追体験できる形になって。よりその人の知恵になる可能性が高まる。

これが今回学んだポイントです。

人に伝えるために、物語って大切です。