本を読むな、という。
そんな本があります。
思考の整理学を書かれた、外山教授の本です。
テーマは考える。
実践的なノウハウ本ではありません。過去の詰め込み日本教育、大卒至上主義が、いかに考える機会を減らしてきたか。
外山教授の嘆きの一冊です。
思考のやり方、仕方を知りたい人には、読後に不完全燃焼になるもしれません。
まずは知識だけを積み重ねようとする学習から離れよう。マイナスを0(ゼロ)に戻そう。そう警鐘を鳴らす筆者の危機感を感じました。
本を読むということは、人が考えてきたことを「借りる」行為。
だから、借りられる状況であれば、本から得た知識は役に立つ。そう、外山さんは「借りる」という言葉を使います。
図書館から物理的に借りるのとは違います。本だけではなく、思考も他人のモノを借りています。
そして、その事に慣れきってしまうと。言い換えるて、その知識に依存してしまうと、過去の知識が役に立たない状況に陥ったときに立ち止まってしまう。
自分で0から1生み出す思考力が働かないのです。知識に思考が縛り付けられるといってもいい。
学校のテストは100点が好ましい。
暗記は出来るほど素晴らしい。
知識はあればあるほどいい。
その価値観と、この本がもつメッセージは対立します。もう、大ゲンカです。
本から、本を読み過ぎるな、と言われる。
この矛盾が、自分の思考を働かせるきっかけになります。
ではどうするのか?
本は読まないべきか?
皆さんはどう考えますか?
私はそうはいっても、今後も本を読むでしょう。
ただし、時間つぶしと雑学を得るためではなありません。
自分の考えを深めるために「使いたい」これは読後の感想です。
辞書を目的の単語を念頭に置いて引くように、それ以外の本も、目的を踏まえて読みこなせたら、思考の手助けになる。
知識を得て終わりにならないように。自分の心持ちを大切に、明日も本を読みます。